PubMed検索チュートリアル¶
概要¶
このチュートリアルでは、Claude Desktop + MCPを使用してPubMed(医学・生物学分野の論文データベース)を効率的に検索する方法を学びます。Python製のMCPサーバーをDockerで実行し、Claude Desktopから直接PubMed検索を行えるようにします。
学習目標¶
このチュートリアルを完了すると、以下のことができるようになります:
- 🔧 PubMed MCPサーバーのセットアップ ができる
- 🔍 効率的な文献検索 をClaude Desktopから直接実行できる
- 📊 検索結果の整理と分析 をAIアシスタントに任せられる
- 🚀 研究ワークフローの自動化 への第一歩を踏み出せる
前提条件¶
- Claude Desktopがインストール済み(Claude Desktop セットアップガイド参照)
- Dockerがインストール済み(Docker セットアップガイド参照)
- 基本的なターミナル操作の知識
PubMed MCPサーバーのセットアップ¶
1. リポジトリのクローン¶
まず、このチュートリアルのリポジトリをクローンします:
git clone https://github.com/fuku-inc/life-science-agent-tutorial.git
cd life-science-agent-tutorial/tutorials/02-mcp-server/claude-desktop/pubmed-search
2. Dockerイメージのビルド¶
PubMed MCPサーバーのDockerイメージをビルドします:
初回ビルド時の注意
初回ビルド時は依存パッケージのダウンロードが行われるため、数分かかる場合があります。
3. Claude Desktopの設定¶
Claude Desktopの設定ファイルを開きます:
設定ファイルの mcpServers
セクションに以下の設定を追加します:
既存の設定を保持する
すでに他のMCPサーバーの設定がある場合は、既存の設定を削除せずに、pubmed
の設定を追加してください。
{
"mcpServers": {
// 既存の設定があればそのまま残す
"pubmed": {
"command": "docker",
"args": [
"run",
"-i",
"--rm",
"pubmed-mcp-server"
],
"env": {}
}
}
}
4. Claude Desktopの再起動¶
設定を反映させるため、Claude Desktopを再起動します。
基本的な検索操作¶
キーワード検索¶
Claude Desktopで以下のように入力してみましょう:
MCPサーバーが自動的にPubMedにアクセスし、検索結果を返します。
検索結果の確認¶
検索結果には以下の情報が含まれます:
- 論文タイトル
- 著者リスト
- 掲載誌名
- 出版年
- PMID(PubMed ID)
- アブストラクト(要約)
高度な検索テクニック¶
著者名検索¶
特定の著者の論文を検索:
期間指定検索¶
特定期間の論文を検索:
MeSHタームの活用¶
MeSH(Medical Subject Headings)を使った精密検索:
検索結果の整理と活用¶
要約の作成¶
研究トレンドの分析¶
引用情報の整理¶
実践演習¶
演習1: COVID-19関連論文の検索¶
以下の課題に取り組んでみましょう:
- COVID-19の長期後遺症(Long COVID)に関する最新の総説論文を5件検索
- 検索結果から主要な症状と治療法をまとめる
- 今後の研究課題を3つ挙げる
演習2: 特定著者の研究追跡¶
- あなたの研究分野の著名な研究者を1人選ぶ
- その研究者の過去3年間の論文を検索
- 研究の変遷や新しい方向性を分析
トラブルシューティング¶
設定が反映されない¶
- Claude Desktopを完全に終了(メニューから「Quit」を選択)
- 設定ファイルのJSON構文を確認
- Claude Desktopを再起動
ログの確認¶
問題が解決しない場合は、Claude Desktopのログを確認してください。MCPサーバーのエラーメッセージがそこに表示されます。
まとめ¶
このチュートリアルでは、以下のことを学びました:
- ✅ PubMed MCPサーバーのDocker環境での構築
- ✅ Claude Desktopとの連携設定
- ✅ 効率的な文献検索の実践
- ✅ 検索結果の整理と活用方法
これらのスキルを活用することで、研究に必要な文献調査の時間を大幅に短縮できます。
次のステップ¶
- 他のデータベース(UniProt、ChEMBL)のMCPサーバーも試してみる
- 複数のMCPサーバーを組み合わせて使用する
- 独自のMCPサーバーを開発する(レベル3へ)