レベル2: MCPでツールを追加¶
🎯 このレベルの目標¶
日常的に使える効率的な研究環境を構築します。MCP(Model Context Protocol)を使って、AIエージェントに研究用ツールを追加します。
🧩 MCPで何ができるようになるのか?¶
Model Context Protocol(MCP)を使うと、Claude DesktopなどのAIアシスタントが研究用の各種データベースやツールと直接連携できるようになります。
🔬 研究者にとってのメリット¶
今まで: Webブラウザで検索 → 結果をコピー → AIに貼り付け → 整理を依頼
MCPを使うと: AIに直接「○○について調べて」と指示するだけで、データベース検索から結果の整理まで自動実行
💡 具体的にできること¶
- PubMed検索: 「COVID-19のmRNAワクチンに関する2023年以降の論文を要約して」
- タンパク質情報取得: 「P53タンパク質の機能と関連疾患をまとめて」
- 化合物検索: 「アスピリンと類似構造を持つ化合物を探して」
- 研究データ管理: 「実験データフォルダから昨日のデータを解析して」
MCPの技術的な詳細に興味がある方は → MCPとは何か?詳細解説
利用可能なMCPサーバーの一覧は → MCP Servers公式リポジトリ
👥 対象者¶
日常的にAIエージェントを活用したい研究者
✅ こんな場合に最適¶
- 毎日のようにAIエージェントを使いたい
- 社内DBや独自のAPIなど、カスタムツールを統合したい
- 複雑なDB操作(高度な検索条件、大量データの一括処理など)を行いたい
- 簡単なプログラムを書くことができる
💡 メリット¶
- レベル1では扱えないDB操作が可能
- カスタマイズ性が高い
- 一度設定すれば継続的に使える
- 起動が高速(パッケージインストール不要)
📚 学習内容¶
このレベルでは、以下の2つの主要な設定方法を学びます:
Claude Desktop¶
PubMed、UniProt、ChEMBLなどの研究用ツールをClaude Desktopに追加する方法を学びます。MCPサーバーを使った本格的な統合が可能です。
ChatGPT カスタムコネクタ¶
ChatGPTのカスタムコネクタを使って、データベースAPIと連携する方法を学びます。Webインターフェースから簡単に設定できます。
⏱️ 所要時間¶
3-4時間で基本的な設定と使い方を習得できます。
🚀 始め方¶
- 使用するAIツールを選択(Claude DesktopまたはChatGPT)
- 該当するチュートリアルに従って設定
- 実際の研究タスクで活用
📈 期待される成果¶
- 専門データベースへの直接アクセス
- 複雑な検索条件での自動検索
- カスタムワークフローの実現
- 日常業務の大幅な効率化
⚠️ セキュリティと注意事項¶
重要:必ずお読みください
MCPツールは外部リソースへのアクセス権限を持つため、セキュリティに十分注意する必要があります。
🔒 MCPツール利用時の注意点¶
- 信頼できるツールのみ使用: 公式または検証済みのツールを選択
- アクセス権限の確認: ツールがアクセスするリソースを理解する
- 個人情報の保護: 機密データを扱う際は特に注意
✅ ベストプラクティス¶
- 定期的な設定の見直し: 不要なツールは削除
- ログの確認: 異常な動作がないか定期的にチェック
- バックアップ: 重要な設定はバックアップを取る
リスクを避けるために
- 不明なソースからのツールは使用しない
- 研究データや認証情報を扱う際は、ツールの信頼性を十分に確認する
- 設定ファイルへのアクセスは慎重に管理する
🔄 次のステップ¶
このレベルをマスターしたら、以下を検討してください:
- 独自のエージェントを作りたい → レベル3: エージェントシステム構築
- 複数のエージェントを連携させたい → レベル4: マルチエージェントシステム
レベルアップの目安
- 既存ツールでは対応できない独自のワークフローがある
- 研究室特有のニーズに合わせたカスタマイズが必要
- より高度な自動化を実現したい