Operator¶
📌 概要¶
Operatorは、OpenAIが開発した革新的なブラウザ自動化ツールです。プログラミング不要で、日本語や英語の自然な指示をAIが理解し、ブラウザ操作を自動実行します。
Manusとの違い¶
特徴 | Manus | Operator |
---|---|---|
操作方法 | 画面操作を記録・再生 | 自然言語で指示 |
柔軟性 | 記録した操作を忠実に再現 | AIが状況に応じて判断 |
エラー対応 | 手動で修正が必要 | AIが自動的に対処 |
学習コスト | 低い(視覚的) | 中程度(プロンプト作成) |
こんな場合にOperatorが最適¶
- 📝 毎回少しずつ異なる検索条件で調査する
- 🔄 Webサイトの構造が頻繁に変わる
- 🤖 状況に応じた判断が必要な作業
- 🌐 複数のサイトを横断的に調査する
🚀 セットアップ¶
前提条件¶
- ChatGPT Plusアカウント(月額$20)
- Chrome/Edge/Safariブラウザ
- 安定したインターネット接続
インストール手順¶
-
ChatGPTにログイン
ChatGPTにアクセスし、Plusアカウントでログインします。
-
Operatorモードに切り替え
画面上部のモデル選択から「Operator」を選択します。
利用可能地域
2025年1月現在、日本からも利用可能です。
-
初期設定
初回利用時に、以下の設定を行います: - ブラウザアクセス許可 - セキュリティ設定の確認 - デフォルト言語の設定(日本語推奨)
🎯 基本的な使い方¶
指示の基本構造¶
Operatorへの指示は、以下の要素を含めると効果的です:
- 目的 - 何をしたいか
- 対象 - どのサイトで
- 条件 - どんな条件で
- 出力 - 結果をどうしたいか
実際の指示例¶
基本的な操作フロー¶
- Operatorを起動
- 自然言語で指示を入力
- AIが自動的にブラウザを操作
- 結果を確認・保存
効果的な指示のコツ
- 具体的で明確な指示を心がける
- 一度に複雑すぎる指示は避ける
- 段階的に指示を追加していく
🔬 実践例: PubMed論文の自動収集¶
シナリオ¶
毎週、特定の研究分野の最新論文を収集し、研究室のメンバーと共有する作業を自動化します。
ステップ1: 基本的な検索¶
PubMedで以下の条件で検索してください:
- キーワード: "gene therapy" AND "clinical trial"
- 期間: 過去1週間
- 論文タイプ: Clinical Trial
検索結果の上位5件について、以下の情報を抽出してください:
- タイトル
- 著者(筆頭著者と最終著者)
- 掲載誌
- DOI
ステップ2: 詳細情報の取得¶
先ほどの5件の論文について、
それぞれのAbstractから以下の情報を抽出してください:
- 研究の目的(Objective)
- 使用した手法(Methods)の要約
- 主要な結果(Results)
- 結論(Conclusion)
表形式でまとめてください。
ステップ3: 関連論文の探索¶
🚀 高度な使い方¶
条件分岐を含む検索¶
PubMedで「diabetes treatment」を検索してください。
もし検索結果が100件以上ある場合は:
- 過去1年間に絞り込んでください
- それでも50件以上ある場合は、"clinical trial"でさらに絞り込んでください
検索結果から、オープンアクセスの論文のみを選んで、
上位10件のタイトルとPMIDを教えてください。
複数サイトの連携検索¶
以下の手順で情報を収集してください:
1. PubMedで「BRCA1 mutation」の最新論文を1件取得
2. その論文で言及されている遺伝子変異をリストアップ
3. 各変異について、ClinVarで臨床的意義を確認
4. 結果を表にまとめて、病原性の高い順に並べてください
データの自動整形¶
PubMedで「COVID-19 vaccine efficacy」を検索し、
2024年の論文から以下の情報を抽出してExcel形式の表を作成してください:
列:
- 論文タイトル
- ワクチンの種類
- 対象者数
- 有効性(%)
- 副作用の報告
データがない項目は"N/A"と記入してください。
💡 プロンプトのコツ¶
良いプロンプトの特徴¶
✅ 明確で具体的¶
✅ 段階的な指示¶
良い例:
「まず、PubMedで『machine learning diagnosis』を検索してください。
次に、検索結果から画像診断に関する論文のみを選んでください。
最後に、それらの論文で使用されているAIモデルの種類をリストアップしてください」
✅ エラー処理の指示¶
よくある失敗と対策¶
問題 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
結果が不正確 | 指示が曖昧 | より具体的な条件を追加 |
処理が途中で止まる | 複雑すぎる指示 | タスクを分割して段階的に実行 |
期待と異なる出力 | 出力形式の指定不足 | 具体的な出力例を提示 |
🛠️ トラブルシューティング¶
よくある問題¶
Operatorが応答しない¶
- 確認事項:
- インターネット接続
- ChatGPT Plusの有効期限
- ブラウザの権限設定
検索結果が取得できない¶
- 対策:
- サイトのアクセス制限を確認
- より単純な検索から開始
- 別の検索条件を試す
処理が遅い¶
- 改善方法:
- 一度に処理する件数を減らす
- 不要な情報の取得を省く
- ピーク時間を避ける
🎓 研究活用のベストプラクティス¶
定期的な文献調査¶
設定例:
「毎週月曜日の朝、以下の作業を実行してください:
1. 私の研究分野(CRISPR, gene editing, clinical application)に関する
先週発表された論文をPubMedで検索
2. インパクトファクター5以上の雑誌に掲載された論文を優先
3. 各論文の要点を3行でまとめる
4. 結果をMarkdown形式で出力」
競合研究のモニタリング¶
システマティックレビューの準備¶
「以下の包含基準と除外基準に基づいて論文を選別してください:
包含基準:
- ヒト対象の臨床研究
- 2020年以降の発表
- 英語論文
除外基準:
- 症例報告
- レビュー論文
- プレプリント」
🚀 次のステップ¶
Operatorで自然言語による自動化をマスターしたら、次はChatGPTで対話的なデータ分析に挑戦しましょう。
ChatGPTとの使い分け¶
用途 | Operator | ChatGPT |
---|---|---|
Web検索・収集 | ◎ 最適 | △ 限定的 |
データ分析 | △ 基本的な集計のみ | ◎ 高度な分析可能 |
レポート作成 | ○ 構造化データ | ◎ 自由な文章生成 |
プログラミング | × 非対応 | ◎ コード生成可能 |
スキルアップのポイント
Operatorで効率的なデータ収集方法を身につけたら、 ChatGPTでそのデータを深く分析する方法を学びましょう。 この組み合わせにより、研究の効率が大幅に向上します。
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